26. 三相交流回路 平衡三相回路

対称三相交流とは、次に挙げる3つの条件を満たす三相交流のことを「対称三相交流」と呼びます。つまり、①三相と起電力が等しい、②三相の周波数が等しい、③三相それぞれの位相差がすべて(2/3)πの関係にある、という条件です。これらの3つの条件が成立すると、三相の起電力(瞬時値)のベクトル和がゼロ(0)になります。一般に三相交流と言えば、対称三相交流を指します。

平衡三相回路

三相交流の各負荷が等しい場合、それらの負荷を「平衡負荷」と呼びます。さらに電源が対称三相交流で、負荷が平衡負荷の回路を「平衡三相回路」と呼びます。平衡三相回路には、図のようにY-Y結線とΔ-Δ結線などの回路があります。

Y-Y結線 電流と電圧の関係

三相交流の電流と電圧を求める場合は、単相に分解して、通常の単相交流と同様に計算します。ここで三相交流が平衡三相交流であると仮定します。すると各相の電流、電圧の位相差は同じであるため、その位相差をθと置くと、

三相交流の相順

起電力の発生する順番に、一相、二相、三相、もしくはa相、b相、c相と呼びます。三相交流の各相の起電力(瞬時値)は以下の式で表現できます。

Δ-Δ結線 電流と電圧の関係

三相交流の計算では、単相に分解して、単相交流同様に計算を実行します。ここで平衡三相交流と仮定すれば、各相の電圧、電流の位相差は同じであるため、その位相差をθと置くと、