41. 電界効果型トランジスタの基本作

電界効果トランジスタ(FET: Filed Effect Transistor)には、構造の違いによって2つの種類があります。
1つは接合型FET(JFET: Junction gateFET)、もう1つはMOSFET(Metal Oxide Semiconductor FET)です。

基本動作(nチャネル・タイプ)

nチャネルのMOSFETを例に取り、基本動作を説明します。まず、ゲート電極に電圧を加えると、酸化膜とp型基板の接合付近に電子が集まります。このため、酸化膜付近のp型半導体の電気的な特性が変化し、薄いnチャネル層となります。一方、ソース電極とドレイン電極はn型半導体で構成されており、ドレイン-ソース間に電圧を与えると、薄いnチャネル層を介して、ドレイン電極とソース電極の間に電流が流れます。つまり、ゲート電極に加える電圧の大きさを制御することで、ドレイン-ソース間に流れる電流を制御できるわけです。

MOSFETの主な特性

主な最大定格

ゲート-ソース間電圧 / ドレイン電流 / ゲート電流

ドレイン-ソース間電圧

ドレイン-ソース間に加えることができる最大電圧を示します。耐圧と呼ぶこともあります

ゲート-ソース間に加えることができる最大電圧を示します

ゲート-ソ?[ス間に加えることができる最大電圧(主としてMOSFETに使われる)

JFETで使用される場合は、ゲート電圧を正にしたときにゲートに流すことのできる最大電流を示します。MOSFETで使用される場合は、の代わりに、ドレイン電流の最大値が示される場合が多いです

主な電気的特性

ゲート遮断電流

ドレイン-ソース間を短絡し、ゲート-ソース間に負の電圧を加えたときに流れるリーク電流。JFETで使用される場合は、素子動作中に流れるゲート電流、MOSFETで使用される場合は、酸化膜を通して流れる漏れ電流で、JFETの値に比べ非常に小さくなります