51. 74シリーズの回路形式
標準ロジックの74シリーズは3つあります。
具体的には、「TTLロジック」、「CMOSロジック」、「BiCMOSロジック」の3つです。
以下で、この3つの回路形式の特長を説明します。
回路形式 | シリーズ名(例) | 説明 |
---|---|---|
TTL |
74 |
バイポーラ・トランジスタを使って回路を構成した標準ロジックICです。1970年代に米テキサス・インスツルメンツ社が量産を開始しました。74で始まる4けた、もしくは5けたの型番が付いていることから、「74シリーズ・ファミリ」と呼ばれています。型番別に機能とピン配置が標準化され、セカンド・ソースが豊富だったため広く採用されました。通常は、単一電源で動作します。3ステート・バスといった標準入出力インターフェイスを備えています。TTLのオリジナル・シリーズを基に、高速版や低消費電力版、高速かつ低消費電力版などのシリーズが製品化されています。 |
CMOS |
74HC/HCT |
CMOSトランジスタを使って回路を構成した標準ロジックICです。当初、業界標準として使われていたのは、米RCA社が開発した「4000シリーズ」でしたが、先行して普及していたTTL品との互換性はありませんでした。その後、TTLの「74シリーズ」との機能/ピン配置互換性を備えている上に、動作速度が同等で消費電力が少ないCMOS品が登場したため、TTLを置き換えるかたちで普及しました。現在、「74HC/HCU/HCTシリーズ」や「74AC/ACTシリーズ」、「74VHC/VHCTシリーズ」などが製品化されています。なお、「74HCT」など型番にTが入ったシリーズは、入出力インターフェイス・レベルを調整し、TTLとの混用を可能にしたものです。 |
BiCMOS |
74ABT |
TTLの「74シリーズ」との機能/ピン配置互換性を確保した上に、内部回路にCMOSトランジスタを適用し、入出力インターフェイスにバイポーラ・トランジスタを使ったシリーズです。入出力インターフェイスにバイポーラ・トランジスタを採用しているため、大電流駆動が可能です。CMOSとバイポーラという2つのプロセスを利用して製造しているため「BiCMOS」と呼ばれています。 |