59. アナログ変調方式

AM(Amplitude Modulation)

振幅変調。搬送波の振幅の強弱を利用して情報を伝送する変調方式です。 AM変調をかけた電波はFM 変調方式に比べて周波数の占有幅が狭く、決められた周波数幅の中でより多くの情報を伝送できるほか、送受信回路の構造が簡単というメリットがあります。 搬送波としては、空気中での伝送効率が高い100kHz以上の周波数を有する電波が使われます。具体的な適用例としては、AM ラジオ放送や航空無線、アナログ・テレビ放送などがあります。

FM(Frequency Modulation)

周波数変調。搬送波の周波数変化を利用して情報を伝送する変調方式です。特長としては 品質の高い音声を伝送できること、雑音に対して比較的強いことが挙げられます。その一方で、周波数の占有幅が広い という欠点があります。さらに、FM変調をかけた電波が混信すると、強度の弱い電波がつぶされてしまうと いう現象が起きます。FMラジオ放送やアマチュア無線、業務無線などで使われています。

PM(Phase Modulation)

位相変調。搬送波の位相変化を利用して情報を伝送する変調方式です。FM変調と比較すると、送受信 回路が比較的複雑になるという欠点があります。このほか、FM変調と同一雑音下で比較すると、伝送効率は 位相変調の方が優れているものの、周波数帯域当たりの伝送効率が劣ります。このためアナログの位相変 調はあまり使用されていませんが、デジタル変調の分野においてPSK(Phase Shift Keying)の名前で広く採用されています。