61. RFID
物流用途や商品管理用途のほか,電子チケットや電子マネーなどにおいて
RFIDタグが広く使われるようになってきました。
今後,RFIDタグの低価格化が進めば,その市場規模はさらに拡大すると期待されています。
ここでは現在利用可能なRFID技術を一覧表にまとめました。
使用周波数帯域 | 用途 | 特徴 |
---|---|---|
125k~135kHz |
FA( ファクトリー・オートメーション) 用途, 回転寿司などの飲食用途, スキー場のリフト券などのレジャー用途,イモビライザーなどの自動車用途など。 |
1980年代から使用されているRFID技術です。電池を内蔵しないパッシブ・タイプで使われています。 通信には,電磁誘導方式を利用します。RFIDタグには,心棒にコイルを巻き付けたアンテナを使うので,外形寸法が大きいというデメリットがあります。 さらに,通信距離が数十cm程度と短く,データ通信速度が低いこともデメリットに挙げられるでしょう。 一方,メリットとしては,周波数が低いため電磁波が回り込みやすいことや,金属や水の影響を受けづらいことなどがあります。 |
13.56MHz |
図書館での書籍管理用途,小売店でのセキュリティ管理用途,「Suica」や「Edy」などで採用されている「FeliCa規格」など。 |
電磁誘導方式を使うRFID技術です。電池を内蔵\しないパッシブ・タイプで使われています。125k~135kHzを利用するRFID技術と比較すると,周波数が低いため受信アンテナを小型化できます。 フィルム上に作り込むことも可能です。通信距離は1m程度。ただし,金属の影響を受けやすいため,リーダー/ライターと受信アンテナの間に金属が入ると,データ通信が妨げられてしまいます。 |
433MHz |
海上輸送コンテナ管理などの国際物流用途など。 |
電池を内蔵するアクティブ・タイプとして使われています。欧米では420M~450MHzと広い周波数帯域が割り当てられていますが, 日本はアマチュア無線で使用している周波数帯域と重なるため433.67M~434.17MHzと狭い帯域が割り当てられているだけです。 ただし,出力電力は1mWとアマチュア無線の約1万分の1と極めて低いです。 |
860M~960MHz |
コンテナ管理などの流通用途, 大手流通企業での商品管理用途など。 |
UHF帯利用のRFID技術。パッシブ・タイプとアクティブ・タイプのRFIDタグがあり,マイクロ波通信方式でデータを読み取りまう。 2.45GHzを使うRFID技術と比べると,電磁波の直進性が低く,回り込みが期待できるため,障害物があってもデータ通信が可能というメリットがあります。 ただし,データ通信速度は2.45GHzに比べると劣ります。通信距離は最大5m程度です。 |
2.45GHz |
コンテナ管理などの流通用途。 |
マイクロ波帯利用のRFID技術。パッシブ・タイプとセミパッシブ・タイプのRFIDタグがあります。 メリットは,周波数が高いため,リーダー/ライターと受信アンテナを小型化できる点です。 一方,デメリットとしては,電磁波が水に吸収されやすいことと,電磁波の直進性が高いため障害物を避けづらいことなどが挙げられます。 通信距離は2m程度。比較的高いデータ通信速度が得られます。 |