79. リレーの種類と特長

リレーは継電器とも呼び、ある値以上の電気的入力を認識して、
ほかの電気回路の開閉を制御する機器です。

接点の有無 リレーの名称 リレーの種類と特長

有接点

電磁リレー

電磁石(巻線に制御入力電流を流し磁化させるもの)により接点を物理的に動かし、接点の開閉するリレーです。 電磁石を駆動する消費電力が大きく、物理的な動作を伴うため動作(応答)時間が遅い弱点があります。しかし、過電圧・電流に強く、高周波の制御も可能な特長があります。

接点の物理的な構成により、ヒンジ型とプランジャ型があります。 ヒンジ型は、電磁石の接極子が支点を中心に回転運動を行い、直接または間接に接点の開閉を行うリレーです。 プランジャ型は、接触部をプランジャ形電磁石によって駆動し接点の開閉を行うリレーです。

動作モードとして、単安定と双安定があります。単安定は、電磁石に電流を流した時だけ、接点の開閉が行われ、 電流が止まるとバネなどの力により以前の状態に戻る動作モードです。 双安定は、ラッチング・リレーまたはキープ・リレーとも呼ばれ、電磁石の鉄心の磁化現象などを利用し、 入力電流が止まった後も、動作時の開閉状態を保持する動作モードです。状態の切り替えには、同一鉄心に反対に巻かれたコイルに電流を流す必要があります。

接点の開閉状態には、以下の3種類があります。

a接点・・・通常は開いていてコイルに通電した時に閉じる。
b接点・・・通常は閉じていてコイルに通電した時に開く。
c接点・・・2つの接点をコイルの通電状態で切り替える。

実際の電磁リレーでは、接点種類に極数を併記して、以下のように表されます。

1a・・・・1極のa接点リレー
1b・・・・1極のb接点リレー

2a2b・・・a接点が2極、b接点が2極のリレー

リード・リレー

強磁性体の金属リードを不活性ガスと共に容器内に封止し、その周囲にコイルを巻いた構造をしています。 周囲のコイルに電流を流し磁界を発生させることで、リードを駆動し接点の開閉を行います。

プログラム・リレー

複数のリレー機能や組み合わせをパッケージ化したものです。 プログラム・リレーの操作ボタンや外部のパソコンなどを通して、リレーの機能や組み合わせを変更することが可能です。 多くのリレーが必要な回路を作成したり、機能変更を頻繁に行ったりするようなアプリケーションに利用されます。

無接点

半導体リレー
(SSR:ソリッド・ステート・リレー)

サイリスタやフォトカプラなどの半導体素子を用いて、小さな入力電力で大きな出力電圧を開閉するリレーです。 小型軽量で応答時間が短いのに加え、電磁リレー使用時に問題となる、 接点の寿命、接点でのアーク発生によるノイズ、ヒステリシス特性などを解決または緩和することが可能です。また、入力と出力の間は、フォトカプラと呼ばれる光半導体を用いて光の信号で伝達を行うため、絶縁されています。