92.IP規格
IP規格は、国際電気標準会議(IEC)の規格IEC60529を元に作成した日本工業規格であり、電気機械器具に対する外郭による保護等級を規定しています。
ここでは、IP規格により規定されるIPコードの構成と、構成要素の概略を示します。

第一特性数字 | 外来固形物に対する保護 | 危険な箇所への接近に対する保護 |
---|---|---|
0 |
無保護 |
無保護 |
1 |
直径50mm以上の大きさの外来固形物に対して保護。 |
拳が危険な箇所へ接近しないように保護している。 |
2 |
直径12.5mm以上の大きさの外来固形物に対して保護。 |
指での危険な箇所への接近に対して保護している。 |
3 |
直径2.5mm以上の大きさの外来固形物に対して保護。 |
工具での危険な箇所への接近に対して保護している。 |
4 |
直径1.0mm以上の大きさの外来固形物に対して保護。 |
針金での危険な箇所への接近に対して保護している。 |
5 |
防塵型:塵埃の侵入を完全に防止はできないが、 |
|
6 |
耐塵形:塵埃の侵入から保護。 |
|
x |
第一特性数字を省略する場合。 |
-
第二
特性数字水の浸入に対する保護 0
無保護
1
鉛直に落下する水滴によっても有害な影響を及ぼさない。
2
外郭が鉛直に対して両側に15度以内で傾斜した時、鉛直に落下する水滴によっても有害な影響を及ぼさない。
3
鉛直から両側に60度までの角度で噴霧した水によっても有害な影響を及ぼさない。
4
あらゆる方向からの水の飛まつによっても有害な影響を及ぼさない。
5
あらゆる方向からのノズルによる噴流水によっても有害な影響を及ぼさない。
6
あらゆる方向からのノズルによる強力なジェット噴流水によっても有害な影響を及ぼさない。
7
規定の圧力及び時間で外郭を一時的に沈めた時、有害な影響を生じる量の水の侵入から保護。
8 関係者間で取り決めた数字7より厳しい条件下で外郭を継続的に水中に沈めた時、有害な影響を生じる量の水の浸入から保護。
X 第二特性数字を省略する場合。
-
付加文字 危険な箇所への接近 A
拳による接近に対して保護する。
B
指による接近に対して保護する。
C
工具による接近に対して保護する。
D
針金による接近に対して保護する。
※付加文字は、次の場合のみ使用。
危険な箇所の接近に対する保護が、第一特性より上位の場合。
危険な箇所の接近に対する保護だけを表示する場合で、
第一特性数字が”X”で示される場合。補助文字 摘要 H
高圧機器
S
電気機器の可動部分を動作させた状態で水の試験をしたもの。
M
電気機器の可動部分を停止させた状態で水の試験をしたもの。
W
所定の気象条件下で使用可能であり、付加的な保護構造・処理を施したもの。
※補助文字によって補助的な情報を表示しても良い。
上記の補助文字は、それぞれの意味で既に指定されている。