Polymer Resettable Circuit Protectors

「リセッタブルヒューズ」とは、繰り返し使用が可能な自己復帰型の過電流保護素子です。ポリスイッチ、ポリヒューズ、サーキット・プロテクタなどとも呼ばれています。過電流の原因を取り除くことで、繰り返し使用可能です。ここでは、PRCP(ポリマー・リセッタブル・サーキット・プロテクタ)シリーズをご紹介するとともに、最適な1点を選ぶ手順をご説明します。

特長

PTCサーミスタ(PTC: Positive Temperature Coefficient=正温度係数)とは、温度が上がると、ある温度を境に急激に抵抗値が上昇するデバイスです。PRCPはその性質を利用した過電流保護素子です。

特長

  • PTCサーミスタ方式
  • しゃ断までの時間は適度に遅く、サージ電流で誤動作しない。
  • しゃ断特性の立ち上がりが速い。
  • トリップする時間は、電流が大きいほど速くなる。
  • UL、CSA、TÜV認証
  • RoHS対応
  • ハロゲンフリー対応

抵抗温度特性イメージ

種類

PRCPシリーズには、面実装タイプと端子挿入タイプがあります。

面実装タイプ
Surface Mount Type

端子挿入タイプ
Radial Lead Type

特徴
  • 小型化で小スペース
  • 豊富な製品シリーズで様々な用途に対応
  • 保持電流値:0.05A~2.6A
  • 最大定格電圧:6V~60V
  • 安全規格: UL ,CSA, TÜV
  • 速いトリップ時間
  • 3216~8763mmサイズ
  • 豊富な製品シリーズで様々な用途に対応
  • 保持電流値:0.05~13.0A
  • 最大定格電圧:16V~72V
  • 安全規格: UL 、TÜV
  • 速いトリップ時間
  • 高温タイプ(125℃まで)
用途
  • マザーボード
  • USB、周辺機器
  • デジタルカメラ
  • ディスク・ドライブ
  • ゲーム機
  • 電池パック
  • 電話機
  • プリンタ
  • マザーボード
  • USBハブ、ポート周辺機器
  • 各種家電製品の電源
  • 電源トランス
  • ゲーム機
  • 照明器具
  • 工業用制御装置

選定方法

PRCPの機種の選定方法

ステップ1

「回路の最大電圧」がPRCPのVmax以下のものから選択。

ステップ2

データシートの「温度軽減チャート」を参照して、「周囲温度」で「通常時の動作電流以上」のIholdのものを選定します。

ステップ3

異常時の電流値(Itrip)を確認します。(データシートの「温度軽減チャート」を参照)

ステップ4

データシートのトリップ時間を確認します。

■ポイント:使用時のPRCPの周囲温度で選定することが重要です。

最後に使用する条件およびパラメータ一覧です。

使用する条件 PRCPのパラメータ
回路の最大電圧(V) Vmax;最大定格電圧(V)
通常の動作電流(A) Ihold;保持電流(A)
異常時の制限電流(A) Itrip;トリップ電流(A)
トリップまでの時間(s) TTT;トリップまでの動作時間(s)