「リセッタブルヒューズ」とは、繰り返し使用が可能な自己復帰型の過電流保護素子です。ポリスイッチ、ポリヒューズ、サーキット・プロテクタなどとも呼ばれています。過電流の原因を取り除くことで、繰り返し使用可能です。ここでは、PRCP(ポリマー・リセッタブル・サーキット・プロテクタ)シリーズをご紹介するとともに、最適な1点を選ぶ手順をご説明します。
特長
PTCサーミスタ(PTC: Positive Temperature Coefficient=正温度係数)とは、温度が上がると、ある温度を境に急激に抵抗値が上昇するデバイスです。PRCPはその性質を利用した過電流保護素子です。
特長
- PTCサーミスタ方式
- しゃ断までの時間は適度に遅く、サージ電流で誤動作しない。
- しゃ断特性の立ち上がりが速い。
- トリップする時間は、電流が大きいほど速くなる。
- UL、CSA、TÜV認証
- RoHS対応
- ハロゲンフリー対応
抵抗温度特性イメージ

種類
PRCPシリーズには、面実装タイプと端子挿入タイプがあります。
特徴 |
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用途 |
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選定方法
PRCPの機種の選定方法
ステップ1
「回路の最大電圧」がPRCPのVmax以下のものから選択。

ステップ2
データシートの「温度軽減チャート」を参照して、「周囲温度」で「通常時の動作電流以上」のIholdのものを選定します。
ステップ3
異常時の電流値(Itrip)を確認します。(データシートの「温度軽減チャート」を参照)

ステップ4
データシートのトリップ時間を確認します。

■ポイント:使用時のPRCPの周囲温度で選定することが重要です。
最後に使用する条件およびパラメータ一覧です。
使用する条件 | PRCPのパラメータ |
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回路の最大電圧(V) | Vmax;最大定格電圧(V) |
通常の動作電流(A) | Ihold;保持電流(A) |
異常時の制限電流(A) | Itrip;トリップ電流(A) |
トリップまでの時間(s) | TTT;トリップまでの動作時間(s) |