独自の回路・デバイス技術「TDACC™」で、安全動作と電力損失低減に貢献する小型インテリジェントパワーデバイス「BV1LExxxEFJ-C / BM2LExxxFJ-Cシリーズ」

要旨

ローム株式会社は、カーインフォテインメントや車載メータークラスターなどに向けて、中型車載ディスプレイ向け4ch LEDドライバIC「BD83A04EFV-M」、「BD83A14EFV-M」、大型車載ディスプレイ向け6ch LEDドライバIC「BD82A26MUF-M」を開発しました。新製品は、LEDドライバの電流制御回路における損失を独自の低消費電力化技術により低減。これにより、一般的な仕様条件(LED回路電流:80mA/ch、電源電圧:12V)で比較した場合、IC全体の消費電力を従来品比で約20%削減できるため、消費電力が特に課題となる中・大型車載ディスプレイを搭載したアプリケーションの低消費電力化に貢献します。また、新製品はいずれの機種も、DC調光*1とPWM調光*2の2種類を搭載しており、幅広い仕様に対応できます。なお、PWM調光には、低輝度から高輝度まで電流帰還モードの切り替えが発生しない、ローム独自のシームレスPWM調光を採用。一般的なPWM調光でちらつき発生の原因となる、低輝度時と高輝度時における電流帰還モードの切り替えが不要なため、ちらつき発生リスクを低減でき、アプリケーションの信頼性向上に貢献します。

背景

近年、ADAS(先進運転支援システム)の進化やカーインフォテインメントの機能増加に伴い、車載ディスプレイの大型化が進んでいます。そのため、車載ディスプレイに搭載される液晶バックライト向けLEDドライバに対しては、定格出力電流の増加と消費電力の低減を両立した、高効率駆動が求められています。また、車載ディスプレイにちらつきが発生すると視認性が悪くなり不安全な状態に陥るため、LEDドライバには高い信頼性が求められています。一方、従来のLEDドライバでは、IC自体の消費電力の大きさやPWM調光時のちらつき発生リスクなどが課題となっていました。ロームは、独自の低消費電力化技術とシームレスPWM調光により、低消費電力かつ低輝度から高輝度までちらつきが発生しにくい液晶バックライト向けLEDドライバを開発しました。

製品ラインアップ

新製品は、いずれの機種もPWM調光とDC調光を搭載しており、幅広い仕様に対応可能です。
また、PWM調光は、低輝度から高輝度までちらつきのないスムーズな調光が可能となるシームレスPWM調光を採用しています。

品番 入力電圧範囲
[V]
スイッチング周波数
[kHz]
出力
チャネル数
最大
出力電流
[mA/ch]
昇圧
MOSFET
調光モード
PWM調光 DC調光
BD83A04EFV-M
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データシート
4.5 ~ 48 200 ~ 2,420 4 120 内蔵
(調光率:1:20,000)
BD83A14EFV-M
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データシート
150 外付け
(調光率:1:20,000)
☆BD83A14MUF-M
(調光率:1:20,000)
BD82A26MUF-M
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データシート
3.0 ~ 48 200 ~ 2,420 6 150 外付け
(調光率:1:20,000)

☆: 開発中

リファレンスデザインについて

新製品を搭載したリファレンスデザイン4種類(REFLED002、REFLED004、REFLED003)をロームWebにて公開しています(下記表参照)。車載ディスプレイの液晶バックライト点灯回路の検討に最適であり、標準的な電気的特性の測定に加えて、EMCテスト、熱特性試験等も実施済みです。また、評価レポートと同時に、設計データや搭載製品のSPICEモデル、PCB CAD用シンボルなど、各種ツールも公開しており、リファレンスボードを使うことにより、実機での検討も容易です。
(リファレンスボードについては、ロームWebのお問い合わせ先よりお問い合わせください。)

アプリケーション

・電子ミラー(サイドミラー、バックミラー)
・メータークラスター
・カーインフォテインメント
・ヘッドアップディスプレイ(HUD)
5インチクラスから10数インチクラスまで、
幅広いディスプレイサイズに対応可能です。

用語説明

*1 DC調光
LEDに流す電流の量により、LEDに明暗をつける方法。PWM調光のように点滅させているわけではないため、ちらつき発生のリスクが低い。一方、低い電流値ではLED自体に色度推移が発生するため、色味を気にする仕様では注意が必要である。

*2 PWM(Pulse Width Modulation)調光

超高速でLEDのオンオフを行うと、視覚上点灯しているように見えることから、点灯時間(パルス幅)の長短により、LEDに明暗をつける調光方法。LEDドライバでスイッチングを行うことでパルス幅を設定する。明暗の調整幅が大きいことから、液晶バックライトやインジケータ用LEDの調光でも広く使われているが、仕様によっては、ちらつき発生のリスクがある。