ワイヤレスイヤホンソリューション
ワイヤレスイヤホンの小さなバッテリーで長時間動作の実現を

ワイヤレスイヤホン市場は、Bluetooth 5.0規格に対応し通信速度が向上することでゲームや動画再生時の音声の遅延が改善されたこともあり拡大しています。ワイヤレスイヤホンはバッテリーを内蔵していますが、イヤホンの筐体サイズには実用上の制限がありますので、バッテリーのサイズも小さくなります。この小さなバッテリーで無線通信、オーディオコーデック、スピーカー駆動、ハンズフリー用マイク、さらにはノイズキャンセリング機能用マイクを駆動する必要があります。できるだけ駆動時間は長くしたいところですがバッテリーの大容量化は難しいため、電子回路の省電力化と効率の良いパワーマネージメントを行う必要が出てきます。近年ではトゥルーワイヤレスイヤホンと呼ばれる左右どちらのイヤホンにもケーブルが無い完全分離タイプのワイヤレスイヤホンがもっとも注目を集めているカテゴリーです。当社ではワイヤレスイヤホンの限られたバッテリー容量で様々な機能を高機能LSIで効率的に動作させるための電源マネージメントの実現に向けたLDOレギュレーター、電源ラインの異常からバッテリーや内部回路を保護するためのTVSダイオード(ESD保護ダイオード)などをラインアップしています。これらの半導体は低消費電流かつ小型軽量パッケージに搭載されており、ワイヤレスイヤホンの小さなバッテリーで長時間駆動の実現に貢献します。
ソリューションの特長
- バッテリーでの長時間駆動のためにパワーマネージメントICの動作電流を低減し、低電力動作に貢献
- イミュニティ試験規格(IEC-61000-4-x)への対応(TVSダイオード(ESD保護用ダイオード))
- あくなき機器の小型軽量化に向け、パッケージの小型化により基板スペースと重量を削減
- アプリケーションノート、リファレンスデザインなど設計省力化に有効な資料をwebで公開
ワイヤレスイヤホン

バッテリーでの長時間動作は、さまざまなアプリケーションで共通の設計要件です。特にイヤホンは小型バッテリーでなければならない制約上そのバッテリー容量も小さくならざるを得ません。小さいバッテリー容量をたくさんの高機能ICへ電源供給していき長時間駆動させるためには、個々の高機能ICの低消費電力化はもちろんのこと、電源回路設計でもさまざまなテクニックを駆使しなければなりません。また、イヤホンは小さいながらしっかりと耳にフィットしてくれることが重要で、その形状に合わせた基板サイズが求められる一方、使用時には耳に装着するので人体から発生する静電気によって常に静電気破壊のリスクにさらされています。
充電ICや電源制御ICから先の電源マネージメントにおいては、無線通信IC、オーディオICやフラッシュメモリーなどの電源に対する要求性能が高くなるケースがあります。イヤホン使用時には常にこれらのICが動作を行うため、その電源供給を安定させなければなりません。LDOの選択は、低電圧/大電流電力制御のために特に重要です。当社のTCR5BMやTCR3UGシリーズLDOレギュレーターは、低消費電流で0.8V~5.0Vの広い出力電圧を特長としています。これらを用いることにより、省スペース化とシステム全体の動作最適化による低消費電力化の両立を図ることができます。
また、イヤホン充電端子やマイクなど外部に露出している部分は静電気が侵入しやすいです。このリスクを回避するために数ns~ms ESDや過渡電圧の対策には、当社の高IPPのTVSダイオード(ESD保護用ダイオード)を使用することができます。筐体の小型化要求の高まりによる回路小型化のため、製品を小型パッケージに搭載しました。また、IEC61000-4シリーズの認定を取得しているので、従来よりも簡単で強力な保護回路を提供することができます。
ワイヤレスイヤホン回路 推奨製品
LDOレギュレーター
製品名 | パッケージ名称 ( 幅x長さ×高さ mm ) |
製品概要 | 在庫検索 |
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TCR5BM10A | DFN5B (1.2×1.2×0.38) ![]() |
1.0V/500mA output, Ultra Low Dropout, Under voltage lockout | 購入はこちら |
TCR5BM12A | DFN5B (1.2×1.2×0.38) ![]() |
1.2V/500mA output, Ultra Low Dropout, Under voltage lockout | 購入はこちら |
TCR3UG18A | WCSP4F (0.645×0.645×0.33) ![]() |
1.8V/300mA output, Low Iq Auto-discharge | 購入はこちら |
TCR3UG33A | WCSP4F (0.645×0.645×0.33) ![]() |
3.3V/300mA output, Low Iq Auto-discharge | 購入はこちら |
TCR2EN18 | SDFN4 (0.8×0.8×0.38) ![]() |
1.8V/200mA output, Low output noise voltage | 購入はこちら |
TCR2EN33 | SDFN4 (0.8×0.8×0.38) ![]() |
3.3V/200mA output, Low output noise voltage | 購入はこちら |
TVSダイオード(ESD保護用ダイオード)
イヤホンケース

トゥルーワイヤレスイヤホンでは、イヤホンに内蔵されているバッテリーはイヤホンケース収納時に充電されます。最近イヤホンを探している方には「超小型」を重視する傾向が見受けられます。小型で軽量であればあるほどカバンやポケットにしまいやすいからです。イヤホンケースはイヤホンと同様に小型軽量化への要求が高まっています。筐体の小型化はシステムの小型化を進めることと同時に外部からのノイズや人体からの静電気にさらされるリスクがより高まってきます。充電に必要な電源供給はUSBから取り込みますが、USB端子は外部にむき出しになっており、各イヤホンの充電端子も例外ではありません。
これらのリスクを回避するために数ns~ms ESDや過渡電圧の対策には、当社の高IPPのTVSダイオード(ESD保護用ダイオード)を使用することができます。筐体の小型化要求の高まりによる回路小型化のため、製品を小型パッケージに搭載しました。また、IEC61000-4シリーズの認定を取得しているので、従来よりも簡単で強力な保護回路を提供することができます。
さらに、各イヤホンの充電端子との接続を検知し充電の切り替えを行うにはMOSFETでの制御が簡単かつ確実なものとなります。またMOSFETを用いることによる消費電力を抑えなければいけないこともシステム設計には重要な課題となります。当社の低オン抵抗かつ低電圧駆動MOSFETを使用することで、セットの消費電力を低く抑えることができ、これらの製品は小型パッケージに搭載することで、システムトータルの低消費化と小型化に大きく貢献することが出来ます。