「パワー半導体」というキーワードでエレクトロニクス業界において大きな注目を集めているロームが、今後半導体分野においてどのような技術開発に力を入れ、どのような製品を市場に投入してエレクトロニクス業界に貢献していくのか、製品戦略や技術戦略などについて、本編3回と特別編の動画で詳しくご紹介します。
- 1回目:ロームの半導体事業の未来像について(CTO 立石哲夫)※動画内の役職名は撮影当時のものとなっております。
- 2回目:パワーデバイスの戦略について(パワーデバイス事業本部 本部長 野間亜樹)
- 3回目:アナログ半導体事業の戦略について(執行役員 LSI事業本部 本部長 高嶋純宏)
- 特別編:これがロームとラピスの勝利の方程式 (LSI事業本部 ラピスLSI事業統括 福山弘幸)
第1回は立石CTOが、エレクトロニクス関係者のロームに関するさまざまな誤解を解きながら「ロームの半導体事業の未来像」についてお話しします。
インタビュー内容
誤解1:ロームは大手家電企業に向けたカスタム・チップ・メーカーでは?
立石 1980〜2000年にかけては、確かにそういった半導体メーカーでした。必要なことは、単にパワー半導体とアナログ半導体を販売するだけではなく、組み合わせてシステムをきっちり提供し、サポートしなければなりません。それができる半導体メーカーになることを目指しています。
誤解2:ロームのパワー半導体は欧米メーカーの後追いなのでは?
立石 当社は、SiCデバイスで最近脚光を浴びているのですが、こちらは2000年頃から研究開発に着手しており、その成果としてトレンチ構造を採用したSiCパワーMOSFETの量産を業界に先駆けて2015年に開始しました。そのようなことから、技術的には業界をリードする立場にあると考えています。ただ、技術力が高ければ、SiCパワー半導体市場で勝てるというわけではありません。そのために重要なのが…
誤解3:アナログ半導体で業界トップ性能の製品は持っていない?
立石 アナログ半導体の性能指標は色々あるので、何をもって業界トップ性能というかは難しいのですが、作った本人がそう思えなければダメなので、社内では「ベスト・イン・クラスの製品を作ろう」と発破をかけています。実際に我々の製品の中で、ベスト・イン・クラスに相当するアナログ半導体製品は徐々に増えてきています。例えば…

